文楽を見る(正しくは聴く、といわれる)ようになって、5年がたつ。公演に行けば、パンフレットを見なくても大方の技芸員の顔と名前は一致するようになった。だが、私には不満がある。
橋下会談でも話題となった、パンフの写真が古い、とかの話ではない。
そもそも、各技芸員のプロフィールが薄すぎるんじゃないか、と思う。
スポーツ界を見てほしい。選手名鑑なるものを毎年作ってるだろうに。ファンというのは、出身や趣味とか記録とかに興味があるんだよ。
文楽なら、誰が誰の弟子で、入門から何年、第何期の研修生出身か、親も技芸員か、とかね。
そういう技芸員名鑑的なものというと、平成16年版の凄く古いもの(大阪の劇場の資料室にあるのをちょっと見たことがあるが、コピーも取れない。本来は記念出版だったようで、一般的には入手困難)か、「上方芸能」の平成一桁のころのぐらいしかないのではないだろうか。ちなみに、歌舞伎だと、平成18年度版が公刊物として存在するようだ。
これでは、せっかくのファンも広がらないのでは?
もちろん、では作るとなれば誰が取材して、まとめるのかといった問題はある。だが、取材じゃなくてアンケート形式にする方法もあるし、系図とか入門歴なんかは文楽協会関係者なら周知の事実なんだから、かけるはず。
1部2500円、1万部刷って、5年に一度改定でもいいんじゃないだろうか。